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恩田プールで間を探す

現在、日本の地方では過疎化が進み使われなくなった施設や空き家の増加が問題視されている。私はそれらの場所を作品として手を加え、問題意識の共有と地方の可能性を提案する。
現在ある空き家や施設の多くは放置され壁や屋根の荒廃は進み、その隙間から雨や風など外部の事物が部屋の内部に流れ込み始める。この状況は現在の地球規模で起こり我々の生活を脅かすほどの自然災害と人間生活の関係に似ているのではないかと私は思った。
テクノロジーの進化が様々な事を現実可能にし、思うように作り出し変化させてきた。それは人間の都合に合わせるものであり、人間的尺度で世界を作り替える事でもある。ある側面ではその行為が地球規模の災害を引き起こすまでになってしまっている。我々は地球の一部で生活している。人間的尺度の世界で生活する我々はその事を忘れがちである。そしてある時、我々の世界に地球的規模の事物が災害として流れ込んできた時に自分たちがどこで生活を送っていたかこれまで何をしていたのかを理解する。今回のプロジェクトでは使われていなくなったプールを利用し空間制作を試みる。

協力:宇部市役所 文化・スポーツ振興課

井上修志

宮城県出身。多摩美術大学工芸学科を卒業後、東京藝術大学グローバルアートプラクティス専攻を修了する。自身が持つ震災の経験を着想とし、社会と自然の関係性をテーマに実際の街中へ介入するパフォーマンスや映像作品、また街中で拾う事の出来る素材を使う彫刻など幅広く制作している。

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